秋寂(あきさ)び:「秋寂ぶ」
秋寂ぶや葉の減り徐々に先の見え
漸寒(ややさむ):「やや寒し」
漸寒し布団を手繰る夢の中
酢橘(すだち):晩秋の植物季語「木酢(きず)」
熱豆腐酢橘のかをる湯気のなか
冬近(ふゆちか)し:「冬隣(ふゆどなり)・冬を待つ」
蜘蛛糸に枯葉やまわる冬近し
晩菊(ばんぎく):晩秋の植物季語
晩菊や数多の敵を倒したり
行く秋(ゆくあき):「秋の別れ・秋の果て・秋の名残」
行く秋や荒野に人の影もなく
立冬(りっとう):「冬立つ・冬来る・今朝の冬」
生垣の蔓も枯れ切れ今朝の冬
枯柳(かれやなぎ):「柳枯る・冬柳」
カラフルな看板見えて枯柳
虫老(むしお)ゆ:「冬の虫・虫絶ゆ」
虫老ゆも今朝の耳鳴り多彩なり
跳(なわとび):「綱跳・ゴム縄飛び」
縄跳やだんだん増える記録帳
毛布(もうふ):「電気毛布」
ヒーローに毛布広げて飛び下りて
帰り花(かえりばな):「返り咲き・忘れ花」
ふたつみつ隠れるように帰り花
焼鳥(やきとり)
焼鳥や恋も煙も過去も消ゑ
酉の市(とりのいち):「熊手・一の酉・二の酉・三の酉」
宵闇に響く下駄音酉の市
毛糸編(けいとあ)む:「毛糸・毛糸玉」
目は我が子母はぺちゃくちゃ毛糸編む
暮早(くれはや)し:「短日・暮易(くれやす)し・短景」
暮早し押してシャッター夕景色
水鳥(みずとり):「浮寝鳥」
水鳥や朝の鳴き声過疎地にも
木の葉髪(このはがみ)
新聞紙梳く柘植とまり木の葉髪
蕎麦湯(そばゆ)
ひびの入る自作の湯呑蕎麦湯飲む
夜咄・夜話(よばなし):「炉辺咄(ろへんばなし)・夜咄茶事(ちゃじ)」
夜咄やねずみ聴き来て梁の上
焼芋・焼藷(やきいも):「石焼芋・栗(九里)・八里半」
サンダルや石焼き芋が笛を追ひ
小雪(しょうせつ)
小雪や闇夜白々干す野菜
凩・木枯(こがらし)
白波や木枯らしは行く湖の上
冬の暮(ふゆのくれ):「寒暮(かんぼ)」
煮えたろか炭は足さなく冬の暮
冬木の芽(ふゆきのめ)
辿り着き街の外れに冬木の芽
芭蕉忌(ばしょうき):「桃青忌・翁忌・時雨忌」
芭蕉忌や荒れ野さまよふ今朝の夢
神無月(かんなづき):「時雨月・初霜月」
けふ試験誰に頼むか神無月
千鳥・鵆(ちどり):「浜千鳥・小夜千鳥」
大波を細かき運び千鳥逃ぐ
切干(きりぼし):「切干作る・切干大根」
母鼻歌切干作り白き山
毛皮(けがわ)
毛皮コート質屋の出窓艶やかに
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