9/21/2021

今日の季語 2021-4





「万愚節」
     あちこちで恋の伝達万愚節
鐘霞(かねかす)む
    つなぐ手や二つの寺が鐘霞む
「新社員」
    挨拶や偏差値露わ新社員
木の芽時(このめどき)
    静寂な生垣通り木の芽時
「清明(せいめい)」二十四節季
    清明や淡路の橋の潮流れ
花曇(はなぐもり):「養花天」
    花曇連続ドラマテーマ曲
「春荒(はるあれ)」
    春荒やどちらで送る一句二句
若鮎(わかあゆ):「稚鮎(ちあゆ)・上り鮎」
    きらきらと花びらが影上り鮎
「牧開(まきびら)き」
    牧開き一目散にあのブース
海女(あま):「海女の笛」
    てんてんと桶の揺れ音海女の笛
「山独活(やまうど)」
    山独活を判別出来ぬソロキャンプ
桜草(さくらそう):「乙女桜・雛桜」
    歓迎と法面染めて桜草
「別れ霜(わかれじも)」
    くるくると扇風機今朝別れ霜
蜃気楼(しんきろう):「海市(かいし)・喜見城(きけんじょう)」
    海の城あの人もゐぬ蜃気楼
「花水木(はなみずき)」
    向こう岸今年も咲いて花水木
伊勢参(いせまいり):「抜参(ぬけまいり)」
    追い抜かる白い航跡伊勢参 
八重桜(やえざくら):「牡丹桜」
    遅れ人八重の歓待八重桜
蜂(はち):「女王蜂・雄蜂・働蜂」「蜜蜂・熊蜂・足長蜂」
     蜜の満つタンク交換蜂の飛ぶ
「春濤(しゅんとう)」
    春濤の砕けて続く白い浜
穀雨(こくう):二十四節気
    放棄田も紫雲英田も撒く穀雨かな
残る鴨(のこるかも)
    ブラジルへ千切れてテープ残る鴨
磯開(いそびらき):「海下(うみおり)・磯の口開(いそのくちあけ)」
    焼け野原一艘も出ぬ磯開
「猫の子(ねこのこ)」
    行列へ猫の子譲る声密か
薊(あざみ):「野薊・花薊・眉はき・眉つくり」
    薊咲く野原電話ボックスへ知らせ
「春時雨」
    傘がない飛び込む先の春時雨 
炬燵塞ぐ(こたつふさぐ)
    炬燵塞ぐ四畳半テレビ体操
「豆の花(まめのはな)」
    豆の花最後のひとり村はずれ
竹秋(ちくしゅう):「竹の秋」
    人目避けはらはらと舞ふ竹の秋
「河豚供養(ふぐくよう)」
    空に舞ふぶつぶつ唱え河豚供養
勿忘草(わすれなぐさ)
    勿忘草名前と花の結びつき

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