「万愚節」
あちこちで恋の伝達万愚節
あちこちで恋の伝達万愚節
鐘霞(かねかす)む
つなぐ手や二つの寺が鐘霞む
つなぐ手や二つの寺が鐘霞む
「新社員」
挨拶や偏差値露わ新社員
挨拶や偏差値露わ新社員
木の芽時(このめどき)
静寂な生垣通り木の芽時
静寂な生垣通り木の芽時
「清明(せいめい)」二十四節季
清明や淡路の橋の潮流れ
清明や淡路の橋の潮流れ
花曇(はなぐもり):「養花天」
花曇連続ドラマテーマ曲
花曇連続ドラマテーマ曲
「春荒(はるあれ)」
春荒やどちらで送る一句二句
春荒やどちらで送る一句二句
若鮎(わかあゆ):「稚鮎(ちあゆ)・上り鮎」
きらきらと花びらが影上り鮎
きらきらと花びらが影上り鮎
「牧開(まきびら)き」
牧開き一目散にあのブース
牧開き一目散にあのブース
海女(あま):「海女の笛」
てんてんと桶の揺れ音海女の笛
てんてんと桶の揺れ音海女の笛
「山独活(やまうど)」
山独活を判別出来ぬソロキャンプ
山独活を判別出来ぬソロキャンプ
桜草(さくらそう):「乙女桜・雛桜」
歓迎と法面染めて桜草
歓迎と法面染めて桜草
「別れ霜(わかれじも)」
くるくると扇風機今朝別れ霜
くるくると扇風機今朝別れ霜
蜃気楼(しんきろう):「海市(かいし)・喜見城(きけんじょう)」
海の城あの人もゐぬ蜃気楼
海の城あの人もゐぬ蜃気楼
「花水木(はなみずき)」
向こう岸今年も咲いて花水木
向こう岸今年も咲いて花水木
伊勢参(いせまいり):「抜参(ぬけまいり)」
追い抜かる白い航跡伊勢参
追い抜かる白い航跡伊勢参
八重桜(やえざくら):「牡丹桜」
遅れ人八重の歓待八重桜
遅れ人八重の歓待八重桜
蜂(はち):「女王蜂・雄蜂・働蜂」「蜜蜂・熊蜂・足長蜂」
蜜の満つタンク交換蜂の飛ぶ
蜜の満つタンク交換蜂の飛ぶ
「春濤(しゅんとう)」
春濤の砕けて続く白い浜
春濤の砕けて続く白い浜
穀雨(こくう):二十四節気
放棄田も紫雲英田も撒く穀雨かな
放棄田も紫雲英田も撒く穀雨かな
残る鴨(のこるかも)
ブラジルへ千切れてテープ残る鴨
ブラジルへ千切れてテープ残る鴨
磯開(いそびらき):「海下(うみおり)・磯の口開(いそのくちあけ)」
焼け野原一艘も出ぬ磯開
焼け野原一艘も出ぬ磯開
「猫の子(ねこのこ)」
行列へ猫の子譲る声密か
行列へ猫の子譲る声密か
薊(あざみ):「野薊・花薊・眉はき・眉つくり」
薊咲く野原電話ボックスへ知らせ
薊咲く野原電話ボックスへ知らせ
「春時雨」
傘がない飛び込む先の春時雨
傘がない飛び込む先の春時雨
炬燵塞ぐ(こたつふさぐ)
炬燵塞ぐ四畳半テレビ体操
炬燵塞ぐ四畳半テレビ体操
「豆の花(まめのはな)」
豆の花最後のひとり村はずれ
豆の花最後のひとり村はずれ
竹秋(ちくしゅう):「竹の秋」
人目避けはらはらと舞ふ竹の秋
人目避けはらはらと舞ふ竹の秋
「河豚供養(ふぐくよう)」
空に舞ふぶつぶつ唱え河豚供養
空に舞ふぶつぶつ唱え河豚供養
勿忘草(わすれなぐさ)
勿忘草名前と花の結びつき
勿忘草名前と花の結びつき
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