今日の季語 2019-03
暦めくる三月の風頬撫でる
芹(せり)
囲われて芹摘む拒む香ぞ知れず
雛祭(ひなまつり)
もうせんの赤い記憶が雛祭
巣箱(すばこ)
居心地か巣箱作りが左右して
謝肉祭(しゃくにくさい)「カーニバル」
色とりどり羽根を揺らしてカーニバル
啓蟄(けいちつ)
掘り進む光が見えた啓蟄日
東風(こち)
東風吹けば匂い新たなランドセル
流氷(りゅうひょう)「氷流る」
流氷や布団にとどく音堅く
椿餅(つばきもち)
盗み食い数が少なく椿餅
三月十日(さんがつとおか)
忘るまじ三月十日震災を
海雲(もずく)
急ぐ朝ちょこ一杯海雲吸う
眼張(めばる)
夕飯は揚げた眼張と一夜漬け
凍解(いてどけ)
笹倒す凍解の水緑なり
蕨(わらび)
はね遊ぶ美味いおかずが蕨とは
芦の角(あしのつの)「蘆は角ぐむ 」
踏み入れぬ遠回りする芦の角
鳥雲(とりくも)に「鳥雲に入る」
鳥雲にランドセル負う孫も行く
水温(みずぬる)む
水温む誰ぞ突っつき水濁る
鳥交(とりさか)る「鳥交(つる)む」「鳥の恋」
雲去りて川の向こうの鳥交る
蓴生(ぬなわお)う
操る魯冷たさこらえ蓴生う
木の実植(このみう)う
草いきれ平らな畝に木の実植う
春分(しゅんぶん)「中日」「春分の日」
春分の日傘打つ音も静かなり
卒業(そつぎょう)「卒業式」
人生に卒業ないと父云う
雪の果(ゆきのはて)「雪の別れ」「名残の雪」
羽根が舞う名残の雪がバス停に
遍路(へんろ)
海辺にも玉石つづく遍路道
摘草(つみくさ)
草を摘む退けし枯草土手の上
鶯(うぐいす)
鶯やいっぱい吸いて囀りぬ
接木(つぎき)
種なくも子孫増やすや接木なり
風光(かぜひか)る
風光る遥か見え分く家の楠
連翹(れんぎょう)
連翹この道知らぬ人にあう
田螺(たにし)
長靴に小さなスコップ田螺掘る
花種蒔(はなだねま)く「花種」「種(を)蒔く」
花夢見耕作放置種を蒔く
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