今日の季語 2020-06
薔薇(ばら)
水切りて一日伸びる薔薇が首
夏服(なつふく)
カシミアの朝の夏服抜ける風
代田(しろた)
風静か代田がうつす逆さ富士
蠅(はえ)
待ての声涎垂らして蠅睨む
芒種(ぼうしゅ)
こんこんと芒種の水や湧き出でり
葛練(くずねり)
葛練やとまる吾子の目浮く景色
蟷螂(とうろう・かまきり)生まる
シュミレーション蟷螂の子切る空気
栗の花(くりのはな)
傘の夜鼻を曲げるか栗の花
河鹿(かじか)
夕暮れや暑さも招く河鹿鳴く
五月(皐月)富士(さつきふじ)
東へ走るボンネットの皐月富士
茄子の花(なすびのはな)
棘らしい茄子の花に近付けば
梅雨(つゆ・ばいう)
何もかもべとっとしたり梅雨の今朝
焼酎(しょうちゅう)
焼酎の梅割溢る縄のれん
蝉生(せみうま)る
蝉生るスローモーション朝ドラマ
破れ傘(やぶれがさ)
経を読む小坊主一人破れ傘
海亀(うみがめ)
海亀や重い足跡ならす波
釣り堀(つりぼり)
釣り堀や大声出さず二メートル
ギヤマン・切り子・ビードロ
怖々とギヤマン切り口撫でしども
明易し(あけやすし)明早し・明急ぐ
CPAP唇明けて明易し
南天の花(なんてんのはな)
南天の花越して生垣朝日受く
夏至(げし)
布団どこ肌の冷たい夏至の朝
桑の実(くわのみ)
染める口食い放題が桑の実が
藻の花(ものはな)
首を出し息継ぎ藻の花せわしけり
青蛙(あおがえる)
逃げ込めど背中丸見え青蛙
蛍(ほたる)
解き放す蚊帳の中舞ふ初蛍
梅雨寒(つゆざむ)
梅雨寒や振り払い乗る終電車
昼顔(ひるがお)
庭の端あるじゐぬ昼顔の色
苔茂(こけしげ)る
樹形より褒める緑の苔茂る
さくらんぼ
さくらんぼ口の動きや午如し
蚤(のみ)
ぴょんぴょんと蚤を見つけて掛け布団
0 件のコメント:
コメントを投稿