風にも君の香偲ぶ風の盆
荻の声(おぎのこえ)「荻の風」「荻吹く」
まがりみち追い越していく荻の風
秋(あき)めく「秋づく」「秋じむ」
草縛る秋めく道の罠の跡
衣被(きぬかつぎ)
笊いっぱい茹でたて捧ぐ衣被
鶺鴒(せきれい)
鶺鴒や距離確かめ振り返り
霧(きり)
年一度浮き立ちカメラ朝の霧
芭蕉(ばしょう)
芭蕉が影陽射し逃れて蟻もいて
白露(はくろ)
白々と散歩がつとめ白露踏む
葡萄(ぶどう)
歯がしみる冷凍葡萄舌の上
女郎花(おみなえし)
迎え待つホーム短し女郎花
秋の蝶(あきのちょう)
余裕あり翅緩やかな秋の蝶
待宵(まつよい)
家事かまけ待宵気分阻む壁
月見(つきみ)
月見たり荒野の果てに昇らんと・
小鳥(ことり) 「小鳥くる・小鳥渡る」
小鳥来る今朝の餌場囀りぬ
白粉花(おしろい・おしろいばな)
白粉花やもめ屋敷が好みらし
秋の灯(あきのひ)
秋の灯に記す手帖は単価のみ
馬肥(うまこ)ゆ
馬肥ゆる道一筋草原へ
菊(きく)
菊造り母の趣味飽き蘭育て
鳥威(とりおどし)
鳥威背にし縄張り見張りたり
われから
水さわぐわれから揺れるめだかかな
初鴨(はつかも)
空映す初鴨おりし荒れ野池
鰯雲(いわしぐも)
トライなるポールを見せる鰯雲
秋分(しゅうぶん)
色濃くす秋分の雨裾の色
鯊(はぜ)
餌が前へ近眼の鯊飛びつきぬ
竜淵に潜む(りゅうふちにひそむ)
水鎮まる竜淵に潜む丸い石
稲架(はざ・はず)
組み上げし稲架より飛ばすグライダー
秋麗(あきうらら・しゅうれい)
転移なし富士山見えてあきうらら
太刀魚(たちうお・たちのうお)
銀光り振り回したし太刀魚よ
竜胆(りんどう)
竜胆摘む草原変わる大型店
濁酒(にごりざけ)
ゆき付けりいろいろ試飲濁酒
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