今日の季語 2018-8
振舞水コンコンと湧く錆鉄管
夏暖簾
里帰り風呂敷が引く夏暖簾
天牛
かみきりむし闇の草むらジジと聞き
朝焼[あさやけ]
朝焼や見えた我が家雲谷に建つ
風死(かぜし)す
バケツ水かぜしす庭の砂埃
砂日傘[すなひがさ]
たつてない影なき昼の砂日傘
夏菊(なつぎく)
コバルトブルー占めて夏菊たち揃い
梅干(うめぼし)
喰うものは梅干と飯あとは白湯
梅干や干してピークを越すを知り
手造りと味噌と梅干挑む腕
蚊(か)
飛んでいる姿は見える聞こえぬ蚊
打水(うちみず)
日は西へ打水の痕跳び渡り
原爆忌(げんばくき)原爆の日
原爆の日冷え冷え響く鐘の音
立秋(りっしゅう)「今朝の秋」
エアコンフィルター表示が示す今朝の秋
西瓜(すいか)
投げ入れるバケツ水でも西瓜の音
別烏(わかれがらす)「烏の子別れ」
振り向かぬ烏の子別れしばし追い
鳳仙花(ほうせんか)
紅色で庭を覆いし鳳仙花
流れ星(ながれぼし)
仰ぎ見る空占め長し流れ星
歩く先流れ星落ち何あらむ
糸瓜(へちま)
どぶ創る美女肌磨く糸瓜かな
新涼(しんりょう)
新涼の旅帰るいえには未だ来ぬ
新生姜(しんしょうが)
新生姜砂を噛まぬか目を皿に
終戦記念日(しゅうせんきねんび)「終戦日」「敗戦忌」
終戦記念日知らぬ世代知るサイレン
灯籠流(とうろうながし)
灯籠流し風に流れに行く末を
残暑(ざんしょ)
立舞の梵天揺れど残暑あり
朝顔(あさがお)
朝顔も見る事できた今朝の足
蟷螂(かまきり)
地に落ちた蟷螂が振る斧虚し
蟷螂山青空似合ふ斧が色
鰯(いわし)
わた抜けぬ鰯の刺身知らぬ味
味貧乏鰯捌けず長し爪
自然薯(じねんじょ)
自然薯擂れ鯖だしとれと蘊蓄を
踊(おどり)
青竹を立てた踊り場夜を待ち
処暑(しょしょ)
処暑の庭耳曲げ子犬迷い込み
盆の月(ぼんのつき)
病癒え亜子抱き上げし盆の月
過ぎた渦雲間に覗く盆の月
手を握る君の瞳に盆の月
仰け反った喉元照らす盆の月
木槿(むくげ)
父植しでかい木姿木槿咲き
蓑虫(みのむし)
絶滅危惧種いにし蓑虫今いずこ
枝豆(えだまめ)
枝豆に虫はいないか舌探り
枝豆から大豆に育つこの季節
秋の雷(あきのらい)
蚊帳がない何処へ隠れる秋の雷
蛁蟟(つくつくぼうし)
蛁蟟数を減らして何急ぐ
梨(なし)
パンパンの袋の梨が垂れ並ぶ
梨狩りや袋の中を手探りし
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