9/20/2021

今日の季語 2020-05

今日の季語 2020-05
 


八十八夜(はちじゅうはちや)
    かをり占む八十八夜のお茶工場
明日葉(あしたば)
    明日葉やおひたし似合う夕餉皿
松の緑摘む(まつのみどりつむ)
    揺れ脚立指は松脂緑摘む
行く春(ゆくはる)
    ゆく春やスーツケースの重きこと
立夏(りっか)
     大忙し立夏の朝の大寝坊
卯月(うづき)
    朝曇り脛の冷たき卯月かな
苗売(なえうり)
    並ぶ穴苗売を待つのばす腰
麦飯(むぎめし・むぎいひ)
    麦飯や箸からこぼる粒を噛む
新樹(しんじゅ)
    こぼる光新樹が山へ未知の道 
青葉潮(あおばじお)
    赤鳥居光も流る青葉潮
鹿の子(しかのこ・かのこ)
    角につく鹿の子三匹けもの道
薪能(たきぎのう)
    あの人が声音新た薪能
泉(いずみ)
    三密を守りて泉しし集う
萍(うきくさ)
    萍や櫓音がリズム響く朝
祭(まつり)
    トンチンシャン祭囃子が京都駅
竹落葉(たけおちば)
    抜け道や隠して見せぬ竹落葉
芍薬(しゃくやく)
    芍薬や一株自慢父が植ふ
鵜飼(うかい)
    見たくなし他人の仕事鵜飼かな
水中花(すいちゅうか)
    いつまでも萎れを知らぬ水中花
小満(しょうまん)
    小満や棚田に映る空の青
麦の秋風(むぎのあきかぜ) 麦の秋風
    顔で受く麦の秋風背伸びして
毛虫(けむし)
    毛を吹かせ毛虫が速き木登りよ
空豆・蚕豆(そらまめ)
    蚕豆剥く莢の重さや実の重さ
麦刈(むぎかり)
    弟うしろ母と競いて麦刈りぬ
苺(いちご)
    植ふ苺友食わずして居ぬるとは
鮑・鰒(あわび)
    裏隠す光る七色鮑かな
雛罌粟(ひなげし)
    雛罌粟や吾子の暴投花弁よ
朴の花(ほおのはな)
    梢より芳香おろす朴の花
晶子忌(あきこき)
    晶子忌や煮込む餡子の緑色
青嵐(あおあらし)
    投げてみる往還の石青嵐
蕗(ふき)
    戯れに蕗をかぶりて雨の道

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