今日の季語 2020-07
辣韮(らっきょう)
デミジョンボトル漬けし辣韮一個ずつ
魚簗・簗(やな)
銀輪をなりて子供に簗の上
吊忍・釣忍 (つりしのぶ)
吊忍外から観たく止むを待ち
簾(すだれ)
沈む日や巻き揚ぐ簾紐重し
南瓜の花(かぼちゃのはな)
露踏みて南瓜の花を探す朝
梅雨空(つゆぞら)
ジェットコースター今梅雨空のてっぺんに
小暑(しょうしょ)
寝覚め床汗もかかずに小暑かな
団扇・団(うちわ)
風を切るあおぐ団扇ぞ闇の中
青田(あおた)
父を追ふペダルの重き青田道
辱暑(じょくしょ)
なにもかも洪水奪ふ辱暑かな
汗拭ひ(あせぬぐい)
手をのばし風に乗りゆく汗拭ひ
送り梅雨(おくりづゆ)
東京タワー赤よみがえり送り梅雨
冷酒(ひやざけ・れいしゅ)
海の青けふが釣果や冷酒つぐ
烏賊釣(いかつり)
こうこうと海なめらかに烏賊釣火
熱帯魚(ねったいぎょ)
泡弾き静寂のなき熱帯魚
冷麦(ひやむぎ)
冷麦や父がこだわり茹で加減
紙魚・衣魚(しみ)
現行犯糊の食み跡紙魚がいて
睡蓮(すいれん)
睡蓮の葉も焼け熱き池の水
白鷺(しらさぎ)
じっといて白鷺一羽岸辺にて
月下美人(げっかびじん)
月下美人視線逸らせば開ききり
雲海(うんかい)
雨上がり雲海が上友と逢ふ
天瓜粉・天花粉(てんかふん)
あやし声まだら模様が天花粉
海水浴(かいすいよく)
水着が闊歩海水浴が見える街
端居(はしい)
照らす庭柱背にして端居かな
夕焼(ゆうやけ・ゆやけ)
自販機や新発売誘う夕焼
キャンプ:「キャンプファイヤー・キャンプ村・テント・オートキャンプ」
不機嫌めくキャンプの朝のむくれ顔
大暑(たいしょ)
一枚減り大暑の午前葉書書き
日焼け(ひやけ)
歯が白き鏡が中の日焼け顔
蚊遣火(かやりび)
蚊遣火や伸びる一筋夕静か
跣足・裸足(はだし):「はだ(肌)あし(足)」「素足」
熱き砂丘裸足で登る中田島
夜釣(よづり)「夜釣火・夜釣舟」
大物としびれる竿と夜釣かな
涼(すず)み「涼む」
じっとせず川辺に求む夕涼み