牡蠣剥(かきむ)く
殻放る白き軍手が牡蠣を剥く
春待つ(はるまつ)
春待つも冷たき鳴るやけふの雨
追儺(ついな)
父の背や追儺が列をそつと見て
立春(りっしゅん)
立春や一粒があり座敷かな
堅雪(かたゆき)
堅雪や昨夜が句会下駄の跡
栄螺(さざえ)
禄剛の日差しをうけて栄螺丼
焼野(やけの)
踏み入ればふわりと舞うや焼野かな
遅春(ちしゅん)
偏西風へそ曲げ寒し遅春かな
凧(たこ)
縛り忘れ糸は出てゆく凧はゆく
海苔掻き(のりかき)
海苔掻きや手口目耳と波の息
二月(にがつ)
餅もなくパンがおいしい二月かな
菜の花忌(なのはなき)
ゆったりと暗闇帰る菜の花忌
鶯餅(うぐいすもち)
白餡を鶯餅に包む母
白魚(しらうお)
半透明白魚泳ぐガラス鉢
絵踏(えぶみ)
壁飾る黒づむまわり絵踏かな
種芋(たねいも)
芽を出さぬ日待つ種芋土の中
春淡し(はるあわし)
墨香るけふから習ふ春淡し
藪椿(やぶつばき)
古より丘に一本藪椿
雨水(うすい)
教室の書初め外す雨水かな
田螺和(たにしあえ)
薄曇りバケツ一杯田螺和
梅(うめ)
いつ咲かぬ梅戸惑いし温し日々
春の鹿(はるのしか)
足並みを揃えて奈良へ春の鹿
蜆汁(しじみじる)
味噌の香に負けたり今朝の蜆汁
春の空(はるのそら)
彼女去る堤が上春の空
剪定(せんてい)
自分流剪定鋏いれ過ぎて
春の土(はるのつち)
やわらかく鍬を迎える春の土
白子干(しらすぼし)
白子干いきが良いやつこぼれ出て
春炬燵(はるごたつ)
靴下脱げ春炬燵の脚脛毛抜け
古巣(ふるす)
電線鳴く鴉が古巣声合わし
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殻放る白き軍手が牡蠣を剥く
春待つ(はるまつ)
春待つも冷たき鳴るやけふの雨
追儺(ついな)
父の背や追儺が列をそつと見て
立春(りっしゅん)
立春や一粒があり座敷かな
堅雪(かたゆき)
堅雪や昨夜が句会下駄の跡
栄螺(さざえ)
禄剛の日差しをうけて栄螺丼
焼野(やけの)
踏み入ればふわりと舞うや焼野かな
遅春(ちしゅん)
偏西風へそ曲げ寒し遅春かな
凧(たこ)
縛り忘れ糸は出てゆく凧はゆく
海苔掻き(のりかき)
海苔掻きや手口目耳と波の息
二月(にがつ)
餅もなくパンがおいしい二月かな
菜の花忌(なのはなき)
ゆったりと暗闇帰る菜の花忌
鶯餅(うぐいすもち)
白餡を鶯餅に包む母
白魚(しらうお)
半透明白魚泳ぐガラス鉢
絵踏(えぶみ)
壁飾る黒づむまわり絵踏かな
種芋(たねいも)
芽を出さぬ日待つ種芋土の中
春淡し(はるあわし)
墨香るけふから習ふ春淡し
藪椿(やぶつばき)
古より丘に一本藪椿
雨水(うすい)
教室の書初め外す雨水かな
田螺和(たにしあえ)
薄曇りバケツ一杯田螺和
梅(うめ)
いつ咲かぬ梅戸惑いし温し日々
春の鹿(はるのしか)
足並みを揃えて奈良へ春の鹿
蜆汁(しじみじる)
味噌の香に負けたり今朝の蜆汁
春の空(はるのそら)
彼女去る堤が上春の空
剪定(せんてい)
自分流剪定鋏いれ過ぎて
春の土(はるのつち)
やわらかく鍬を迎える春の土
白子干(しらすぼし)
白子干いきが良いやつこぼれ出て
春炬燵(はるごたつ)
靴下脱げ春炬燵の脚脛毛抜け
古巣(ふるす)
電線鳴く鴉が古巣声合わし
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