3/14/2021

美しい花の季語で 三月を詠む

美しい花の季語で 3月


青麦(あおむぎ)
    さわさわと青麦撫でる指の間に
猫柳(ねこやなぎ)
    毛艶やか触りなさいと猫柳
ヒヤシンス
    ひび割れたガレが花瓶へヒヤシンス
杉の花(すぎのはな)
    万人が散るを好まぬ杉の花
沈丁花(じんちょうげ)
    沈丁花香りが告げる夜更け道
山椒の芽(さんしょうのめ)
    山椒の芽摘むや庭先ひつまぶし
蘆の角(あしのつの)
    にょきにょきと河を守るか蘆の角
一人静(ひとりしずか)
    line閉じ一人静に目をやりぬ
虎杖(いたどり)
    切株や紅虎杖ぞ囲み咲き
諸葛菜(しょかつさい)
    紫へ畑一面諸葛菜
野蒜(のびる)
    炙り網噛めば香るや野蒜かな
茅花(つばな)
    手のひらを毛先が撫でる茅花噛む
春蘭(しゅんらん)
    根を切りてかをる春蘭唐津焼
フリージア
    豚小屋をフリージア覆ふ香ぞ強き
土佐水木(とさみずき)
    淡黄の小花揺らして土佐水木
土筆(つくし)
    にはもせに雑草となる土筆占む
木五倍子の花(きぶしのはな)
    淋し庭木五倍子の花が咲きし朝
貝母の花(ばいもものはな)
    笠を編む貝母の花咲きにけり
三椏の花(みつまたのはな)
    咲き始む三椏の花ほのかなり
片栗の花(かたくりのはな)
    木漏れ日を片栗の花透かしけり
蕨(わらび)
    崖のぼる蕨いつぱい友は摘み
薇(ぜんまい)
    薇をのばしてみたり帰り道
黄水仙(きずいせん)
    堤下黄水仙咲く花壇かな
枸杞(くこ)
    緑いろ夕餉のごはん枸杞芽摘む
喇叭水仙(らっぱすいせん)
    風受けて喇叭水仙頷きて
枝垂桜(しだれざくら)
    照り出だす枝垂桜を撮る夕べ
辛夷(こぶし)
    藪の中主も見ない辛夷咲く
楤の芽(たらのめ)
    楤の芽の天ぷら揚げるソロキャンプ
白木蓮(はくもくれん)
    白木蓮隣りの庭も咲きにけり
連翹(れんぎょう)
    築山へ渡る連翹はねる鯉
君子蘭(くんしらん)
    妻は逝く手入れ届いた君子蘭

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